約半年ぶりのささぼーCupの環境は開催2日前のアップデートにより一気に変化した。
エンペラー・キリコとヴィルジニア卿の殿堂入り。
たかが2つのカード、2種類のデッキタイプがダメージを受けたに過ぎないといえばそうだが
カードゲームにおいてトップTierの主要カードの制限が環境に及ぼす影響は少なくないことは明白だ。
そんな準備期間約1日の今大会で栄冠を手にしたのは見事環境にアジャストしたデッキを持ち込み、コントロールの荒波を寄せ付けず勝ちきった『lili』さん。
インタビューする機会をいただけたので内容を抜粋してお届けしようと思う。
23歳 大学院生
デュエプレ歴は第一弾からやっており、一度引退したが”にじさんじコラボ”をきっかけに復帰。
デュエプレチーム 「D-PARK」所属
好きなライバーは葉加瀬冬雪、リゼ・ヘルエスタ、山神カルタ。
好きなデッキタイプはバルガライゾウ、キリコのようなワンショット系のデッキ。
優勝者インタビュー
liliさんのデッキリスト
今回はアップデート後に間もなくて調整の時間もそこまで取れなかったので、
以前から使い慣れていて新弾の永遠のリュウセイ・カイザーで大幅に強化されたこのリストはかなり強力でした。
それに加えて、今の環境のアグロ系のデッキは以前流行していた黒緑や赤白速攻のようなガチガチの速攻はあまりいなくて、直接打点に繋がる最速のアクションが2ターン目になるハンターがメインです。
ハンターに対してはこちらのアブドーラが間に合ってしまえば高確率で勝ちにできるのでできれば当たりたくはありませんが
そこまでの苦手意識はなかったので全体的にライゾウの通りは良かったと思います。
あと、ライゾウはリストがほぼほぼ固定されているのでデッキ公開制で相手に事前にリストがバレるディスアドバンテージがあまりないですし、事故で1本落とすことが許容されるささぼーCupルールにはマッチしています。それに動きがシンプルなので長丁場の大会で疲れが出てもミスをしにくいですしね。
大会を振り返って
決勝トーナメントの配信URLはこちら。
(liliさんのターン。まだマナをチャージしていない。)
一見するとサファイアをマナに置いてリュウセイ・カイザーを連射していくのかな?と思いそうですが、どんなことを考えられていたでしょうか。
リュウセイカイザーが自分の盤面にいると相手のバルガライゾウが走ってこれないからです。
お相手の方もそれは承知の上だと思っていたので唯一リュウセイカイザーを除去できるカードであるカンクロウをキープしている確率はかなり高いと踏んでいました。
なのでここは相手にカンクロウが
あったとき→次ターンにマナが10まで伸びてサファイアで殴り切れるためOK。
なかったとき→次ターン盤面のリュウセイカイザー+アカギガルムスで殴り切れるためOK
のどちらも満たせるリュウセイカイザーチャージ+リュウセイ召喚3点ブレイクを決行しました。
アカギが3枚目のシールドからトリガーした時のことを考えるとサファイアチャージでも一見問題ないかのように思えるのですが、
相手のデッキにDNAスパークが入っていたため次ターンの攻撃で確実に殴り切るためにサファイアの方を残しましたね。
結果は裏目の3枚目からアカギトリガー+カンクロウという最悪のパターンで負けてしまいましたが、、。
リュウセイチャージは一見すると『!?』という風に思った方が
僕も含めてコメントを見た限り多かったように思いましたが説明されると納得できます。
結果は残念ながら薄いハズレの目を引いてしまいましたが非常に参考になるプレイだったと思います。
決勝戦のエイリアン対面ではどのようなことを意思しながらプレイされていたのでしょうか。
なのでこちらとしてはそれをされないように、アカギやアブドーラをキープしながら盤面展開を阻害しつつ時間を稼いでバルガライゾウにたどり着くイメージです。
決勝の2本目が良い例かと思います。
(エイリアン対面のコノハさん戦でアブドーラを頑なにキープしたliliさん)
liliさんのプレイの繊細さとライゾウというデッキのカード1枚1枚の大味さが見れた対戦だったかと思います!
最後に
2日間合計でBO3で19回戦戦ってみていかがだったでしょうか。
最後になりますが、この記事をご覧になってくれている方でliliさんのインタビューをきいて自分もバルガライゾウを使ってみようかなと思う方はたくさんいると思います。
自分もこの後自分でランクマッチで使ってみようと思うのですが、
そんな方々に向けてアドバイスなどありましたらお願いします!
バルガライゾウというデッキは事故ります。それゆえにライゾウを嫌う方も多いと思います。
重いカードがデッキの大半なので、序盤にフェアリーライフや竜の呼び声といったカードを引けずに負けてしまうことが続くこともあるでしょう。
ただ、そこでこのデッキはダメだ!と投げやりにならずに踏みとどまってみてほしいです。
もちろん環境的にどうしても勝ちづらいときはあるとは思いますが。
デッキが重い分、アブドーラ・リュウセイカイザー・カンクロウなど各環境デッキ対面に対する対応札がバルガライゾウというデッキには投入されています。
それらのカードたちの役割を把握して使うタイミングを考えながら回していくとまた違ったものが見えてくるのではないかと思います!
自分もランクマッチで事故が続いて投げやりになりそうになったときにliliさんの言葉を思い出して踏みとどまろうと思います。
本日はお忙しい中長い時間インタビューにお付き合い頂きありがとうございます。
改めまして優勝おめでとうございました!
長い時間環境にいながらも大きなトーナメントシーンでは栄冠を手にすることのなかったバルガライゾウ。
今回liliさんの手によってNew Division引退目前にして武勲を立てることになった。
完全なデッキ・常勝できる人間など当然存在しないし
事故で負けてもスムーズに回ったうえで僅差で負けても1敗に変わりはない。
勝ち方負け方に拘らず勝率が少しでも高いデッキ選択、プレイ選択をすることの大切さを
筆者自身改めて気付かせてくれたインタビューだった。